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【五島列島の神社仏閣】宇久島の神島神社で参拝方法を気にしながらお参りしてみた。[協力隊レポ]

2022.01.31

長崎は五島列島、最北端に位置する宇久島。

そこで外せない※神社仏閣の中の神社のひとつ、神島神社。
とても目立ちますし、この島にとってとても大きな存在なのが伺えます。


今回は「神社での参拝方法の基本」を気にしながら、この神社をお参りしてみた時のこと。

実は、宇久島だからこそと思われる参拝方法がある事を知りました。

神社の参拝、観光がより深いものになればうれしいですね。
宇久島地域おこし協力隊の栗原よりレポートさせて頂きます。


※神社仏閣とは、「神社」は神を祀っている社(やしろ)建物で、そのまま神社のこと。「仏閣」とは仏を祀っている閣(たかどの)建物で、お寺のことです。


宇久島の神島神社の場所

▼神島神社の場所はこちら

グーグルマップで調べると、フェリーターミナルから450m徒歩6分となっています。


宇久島の神島神社で参拝方法を気にしながらお参りする。

[鳥居のくぐり方]鳥居の前で一礼、端をくぐる。

鳥居をくぐる前に、鳥居の端に寄って、社殿(神様が祀ってある建物)に向かって一礼を。

そして、鳥居の端をくぐります。

鳥居の中心は神様が通られるところなので、中心は空けておくのです。

鳥居は神様がおられる神域と、人が住む俗界を分ける境界と言われていますね。

気持ちを整えてくぐりましょう。


手水舎の名残りを発見。本来は手を洗い、口をすすぐ。

鳥居をくぐってすぐ右手に、手水舎の名残りと思われるものがあります。

現在は機能していないと思われますが、本来はここで手を洗い、口をすすぐとされていますね。

因みに、鳥居をくぐって左手にも手水舎の名残りがあります。

2か所にあるという事は、それだけ人が賑わっていた時もあったのかな、と思います。


[参道の歩き方]中央は空けて端を歩く。

鳥居から社殿に続いている道は参道です。

そして参道の真ん中は神様が通る道とされています。

参道は端を歩きましょう。


拝殿にある鈴を鳴らす。

拝殿とは社殿(神様が祀ってある建物)の一部で、参拝者が参拝するところ。
参拝者が立ち入れるのはここまでとされています。

ここにある鈴を鳴らします。

お祓いや魔除け、神様に自分が来たのを知らせる意味があると言われていますね。


そして扉を開け、拝殿に上がります。


因みに、神島神社の社殿は以下の様になっています。

拝殿→参拝者が参拝する社殿(参拝者が入れるのはここまで)
祝詞殿→神職が祝詞をあげる社殿
相殿→主祭神に対して、2柱以上の神を合わせて祀る社殿
神殿→主祭神を祀る社殿


拝殿に上がって、ろうそくに火をつける。「灯明」と呼ばれている。

これは僕にとっては初めて知ったことで、宇久島ならではだなと思ったところです。

宇久島では、参拝する時にろうそくを持参され、この「灯明」と呼ばれているものをする方もおられるそうですね。

ここは省略してもいい様ですが、せっかく知った事なので、灯明してみました。

拝殿内に燭台(しょくだい)と呼ばれるろうそくたてがあります。
これまでに灯明された、ろうそくが残っていました。

今回は持参したろうそくを使いましたけど、ちょっと大きかったですね笑

※もしかしたら、全部のろうそくに火を灯してもよかったかもしれませんが、今回は持参したろうそくだけに火を灯しました。



お賽銭を入れる。

見通しが良い…
ご縁があります様に…


という事で5円、お賽銭しました。


※本来のお賽銭箱は拝殿の奥の方に位置しているとの事。(灯明の近く)
でも現在は、拝殿内に上がらずに扉を開けての参拝者用として、拝殿の入り口に置いてあると島の方にお聞きしました。

今回はしっかり本来通りの参拝をしようと、灯明→お賽銭の順をとらせていただきました。


参拝は「二礼二拍手一礼」で。

神社での参拝は「二礼二拍手一礼」。
神社によっては、拍手の回数が3回、4回と違うところもある様ですが、神島神社では 「二礼二拍手一礼」 です。

という事で、まず二礼を。


そして、拍手の時は左右の手をずらす「柏手(かしわで)」で。
(⒈両手を均等に合わせる→⒉右手を少し下げてずらす→⒊二拍手する→⒋手を合わせたまま下げた右手を元に戻す)

実はこの「柏手」という作法、初めて知りました。
こう知ると、拍手をすること自体も楽しくなりますね。


と…、ここで気になること。
どのタイミングでお願いごとをするのが良しとされているのでしょう。

二礼二拍手一礼の全てが済んでからか、二礼二拍手の後か…

色々な情報がありましたが、「決まりがないので自由にやって良い」という情報を参考にすることにしました。
▼参考にした記事はこちら
神社参拝のお願い事はいつするのか|二拍手の後or一礼の後?

それで僕は、二礼二拍手の二拍手後、ずらした手を戻し、手を合わせたまま目を閉じてお願い事をしました。


お願い事が言い終わったら、目を開けて手を下ろし、深く一礼をしました。

これで二礼二拍手一礼は終わりです。


実のところ、作法を気にするよりも気持ちの方が大事なのでは?と思うところがあります。

作法ばかりを気にして、神様への気持ちを忘れない様にしたいものですね。


ところで、僕は何をお願いしたのでしょう?

実は神社って、祀られている神様によってお願いすべきものが変わってくるのです。

次項ではこの神島神社で祈願すべきものをご紹介します。


神島神社で祈願すべきもの。

神島神社の社殿(神様が祀られている建物)に祀られている神様とご利益はこちら。

▼神殿に祀られている神様
鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)
ご利益:五穀豊穣、夫婦和合、安産

天照皇大神(アマテラススメオオカミ)
ご利益:国土安泰、開運、勝運

天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)
ご利益:勝運、開運、商売繁盛

瓊瓊杵命(ニニギノミコト)
ご利益:五穀豊穣、国家泰平、家内安全

彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)
ご利益:商売繁昌、航海安全、縁結び


▼相殿に祀られている神様
八幡神社
誉田別命(ホンダワケノミコト)
ご利益:勝利祈願、出世開運
神功皇后(ジングウコウゴウ)
ご利益:安産、子育て

八坂神社
素戔嗚命(スサノオノミコト)
ご利益:厄除け
稲田姫命(ナダヒメノミコト)
ご利益:五穀豊穣

※前述しましたが、神殿と相殿の意味はこちら
神殿→主祭神を祀る社殿
相殿→主祭神に対して、2柱以上の神を合わせて祀る社殿

神島神社の社殿にはたくさんの神様が祀られているのです。

そして、神様によってご利益が異なります。


はい…

ご覧の通り、神島神社で祈願すべきものは…


何でもOK!

です。


因みに、神殿に祀られている神様「鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)」は宮崎県にある鵜戸神宮に祀られていた御分霊との事。
※分霊とは神様の霊を分けて他の神社に祀る事。

その神様を神島神社に祀ったのは、神島神社を再建された平家盛。
この宇久島に渡る前に宮崎に立ち寄ったとされています。

要するに…、平家盛公は神様を持ち込んだ、と言えます。
すごいですよね、神様を持ってくる(祀る)って。

僕は神様がどんな姿をしているか知りません。
確かこれは神職の方しか見る事ができないはず。

つくづく、昔の人ってすごいなと思わされますね。


拝殿で「御籠り(おこもり)」する。

さてさて、せっかくの機会「御籠り(おこもり)」してみましょう。

御籠りとは、言葉そのまま建物に籠る事。

宇久島の人からのお話を伺えば、昔はこの「御籠り」をよくしていたそうです。

飲んだり食べたり(神様にお供えしてから)、一緒に来た人と話をしたりと。
神社は団らんの場だった様です。

現在も宇久島内にある一部の神社やお堂では、御籠りしているところもあるみたいですけどね。

僕はその話を聞いて、神社がもっと身近な存在である事を知らされました。

もっと気楽に足を運んでいい場所なんですね。


それで今回僕は、背筋を伸ばして目を閉じて呼吸に集中する、いわゆる「瞑想」をさせて頂きました。
最近ハマっているのです。

神社で瞑想するのは初めてで、とても新鮮でした。


ろうそくの火「灯明」を消す。

御籠りをして、神様に対しての親近感を改めて感じさせていただいたところで、帰ることとします。

ろうそくの火「灯明」を消します。

この時、ろうそくの火に息をかけたりしてはいけません。

人の息はけがれたもの(不浄なもの)とされています。

手で扇ぐか、指でつまんで消しましょう。
(※写真では指でつまんで消していますが、火傷の恐れがありますので、慣れていない方はマネしないでください。)


帰りも参道の中心は空けて歩き、鳥居の端をくぐり、振り返って一礼。

拝殿を出て、扉を閉めます。


帰りの参道も中心は空けて端を歩きましょう。



鳥居も端をくぐります。

そして、振り返って神様が祀られてる社殿の方に一礼を。

これで、神島神社での参拝は終わりです。


まとめ

参拝方法を意識しながらのお参りは気持ちいいですね。

僕としては「灯明」と「柏手」と「御籠り」は初めて知った事でした。

加えて、神社がこんなに気軽に立ち寄れるところだったことも…
神社に対して、すごく親近感を持てましたね。

約千年以上の歴史を持つこの神社で、参拝されてみてはいかがでしょうか?
※一説によると、704年創立との情報もあるのです。


今回は参拝方法を意識しながらの、ちょっとカタめの神社参拝となりましたが、気楽な参拝ももちろんアリですよ!
その模様はカメラマン郡野氏の記事をご覧ください。
↓ ↓ ↓

お読みいただきありがとうございます。
宇久島地域おこし協力隊の栗原でした。

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