今日の船は揺れる?風を見て船酔い対策!
風の島の宇久島?
島の方から言われた言葉があります。
「島で暮らすには風ば読め。」
風の谷の住人しか発さないような言葉の意味が、今となってよくわかります。
特に、宇久島は船で本土を行き来するので、船に乗るときの風向きによってその時揺れる、揺れないって想像できます。今回は宇久島周辺で吹く風について解説してみます。
風向きについて
天気予報で「明日は北東の風〇m…」などと聞かれたことがあるかと思いますが、風が吹いてくる方角とスピードを指します。この場合は北東から毎秒〇mの風が吹いてきますよ、ということになります。
経験則になるのですが、風速10m程度になると高速船が欠航、風速15m前後でフェリーが欠航する目安として考えています。風速10mは「歩行はできるが傘はさせない」程度というイメージです。
海上で10m以上の風が吹くと基本的に時化るのですが、吹いてくる風向きによって船の揺れが大きく左右されます。
船は基本的に向かい風(逆風)だと揺れます。船体に押し戻そうとする風があたり、更に波も進行方向と逆に向かってくることが多いので船は自ずと上下に揺れます。ですので、西からの風は佐世保・博多ともに揺れやすい風となり、風速が上がるほど揺れも大きくなることが予想されます。
では、船・海域ごとに見ていきます。
※なお、揺れることを前提に書いていますが普段はどの船もあまり揺れないのでご安心ください。あくまで風速10m以上のおはなしです!
太古(博多-宇久)の場合
九州北部沿岸を西へ下るルートを採っている野母商船フェリー太古。下りは深夜便なので景色は見えませんが船内航路図で自分の位置を確かめることができます。
青い点線が太古の航路なのですが、北~西側にかけて風を遮るものがありません(海しかない)。船は極力風や波、急な潮を避けたルートを航行していますが、風向きによっては非常に揺れる可能性があります。
北~西の風10mを超えてくると、揺れる可能性が高いです。酔い止めのご用意を…
そして、到着約1時間前になると、平戸島を超えて志々岐灘(しじきなだ)へ到達します。ここは南側からの海流が強く、宇久島と平戸島の間(=海峡)であるため風の通り道にもなっています。そのため、北ー西ー南各方面の風が厄介で、時化ていると結構揺れます。荒れやすい場所なので漁場としては良いみたいですが、宇久へ辿り着く最後の難関になっています。。
時化ていないと全然穏やかな海ですよ!
九州商船(博多-宇久)の場合
次に佐世保港から宇久平港まで行く航路です。現在3航路あります。それぞれ、赤色がフェリーいのり、黄色が高速船シークイーン、紫色が高速船びっぐあーす2号。
シークイーンは小値賀港、びっぐあーす2号は新上五島町有川港、小値賀にそれぞれ寄港します。
佐世保港出港後、北から北東の風は大陸が遮ってくれるので風による影響は特に少なく、快適な船旅です。西の風が吹くと影響がありますが、びっぐあーす2号の航路は新上五島町(中通島)が風を遮ってくれます。
こちらの航路も平戸島を過ぎると志々岐灘が行く手を阻みます…
なお、フェリーいのりには太古同様にGPS連動した航路案内図が搭載されていますので船内にいながら現在どの位置を走っているかわかります。
高速船それぞれは小値賀港、有川港へ寄港しますが、その際の航路は野崎島と中通島の間を通るルートです。小値賀沖(図の赤いエリア)に差し掛かると、潮の動きが複雑なのか、時化ている時は非常に揺れます。
小値賀港到着10分前あたりでこの海域に差し掛かりますので、ご用心ください。
南風は?
北、西、東寄りの風は時化ている場合でも船が出る可能性があります。個人的に感じることなので参考までにとどめていただきたいのですが、南風で風が強く吹くことは非常に少なく感じます。
また南風は雨を連れてきます。雨がしっかり降る時は強風になりにくいようです。
もし南風で強風が吹いたとしたら、それは台風の時ですので欠航もとい旅行は中止してください。
天気アプリなどで風の予報をチェックしておくと旅の準備にも役立ちますよ!
こちらでよく活用しているサイトは以下の2つと気象庁です。